とっとりで暮らす

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とっとりで暮らす

東京から鳥取へ。佐治町という小さな町に引っ越した人のブログです。

ビギナーズねぎあげるキャンペーンを終えて

ねぎあげるキャンペーン

ビギナーズねぎあげるキャンペーン(送料と箱代で)にたくさんのご応募、ご参加をして頂き、大変感謝をしております。
このキャンペーンを通して、自らが考えたことをまとめてみました。

ビギナーズねぎあげるキャンペーンを終えて


別のページにみなさまから頂いたお返しをまとめましたので、そちらも合わせてご覧頂けると嬉しく思います。

 

www.tottoridekurasu.com

↑ こちらにまとめております ↑



▶ 何故、ねぎを配ったのか

まずはここから説明をしたいと思います。

現在、僕は佐治町の地域おこし協力隊として、鳥取市の嘱託職員として雇用をされています。
その活動のひとつとして「耕作放棄地の再生、利活用」という課題があり、長年使われていなかった果樹園跡の農地をお借りし、再生をさせて耕作に励んでいます。
昨年度は、農業ビギナーということもあり、鳥取県の奨励品目である「白ねぎ」の栽培をメインに行いました。

普通に出荷をすることが出来ればよかったのですが、栽培における苗代や、肥料代、薬代などは僕らの活動費(地方交付税)により行い、公務中に栽培を行ったもの。そのようなものに対して鳥取市の判断は「出荷販売をしてもよいが、売上金は全額を市に返還をするように」とのことでした。

5月末から11月の半ばまで育てて、ようやく収穫へとなった約6,000本のねぎ達。
傾斜地でまだ大きな石やコンクリート(梨棚の足を固定するもの)が埋まっている畑に溝を掘り、苗を手で植えて行きました。

白ネギは白い部分を作る為に、成長に合わせて根元に土を被せて行くいわゆる『土寄せ』という作業をするのですが、これも基本的には鍬での手作業。
梅雨から夏にかけて、雑草が大変なことになったのですが、除草剤というものがあまり好きではないので、手で全て取って行きました。

これだけ汗水を流して、頑張って作ったものを通常の出荷をしてしまったら、どこへ行ったのかも、誰が食べてくれたのかもわからない。
売り上げ返還は仕方なしとしても、そうなると自分の手元には何も残らないのではないだろうか。(金銭を頂くことだけが全てではないのですが、売り上げを得ることによって自分の作った物に対する評価が見えてきますし、その先にもっと良いものを作るというモチベーションにも繋がります。)
簡単に出来たものでしたら、そんなことを考えなかったのかもしれませんが、本当に大変だったので、どうにかならないものかと考えました。

それならば、自分の見える範囲で配布をして行き、金銭ではない何かを対価として頂くことは出来ないだろうか。そう考えて、このキャンペーンを立ち上げました。



▶ 情報の拡散について

キャンペーンの告知は2015/11/2にこちらのブログを母体に、自身のTwitter(@ineedme_jp)、Facebook、とっとりで暮らすのFacebookページにて行いました。
意外にも、一番の盛り上がりをみせたのがTwitterでした。匿名性が功を奏したのか、自身でも驚く程に情報が拡散されていきました。(ありがとうございました!)
印象的だったのが、注文の多くが深夜に集中をしていたこと。深夜のテレビショッピングのような感覚で、「何か面白いから注文してしまえ!」という方もいらしたのではないでしょうか。加えてTwitterの良かった点は、配送後の反応などが容易に収集出来る点もありました。


Facebookは投稿ごとの閲覧制限を掛けることが出来る点から、僕の方ではどのようなアクションがなされていたかは、あまり確認することが出来ませんでした。
Facebookページに投稿をして頂ける方もいらしたり、投稿(宣伝)しておきました!とメールをくださる方もいらして、大変感謝をしております。

しかし、とある県に配送をした直後に、その県からの注文が増えるということがありましたので、何かしら宣伝をして頂いているのだな。と勝手に想像をしていました。

試しにFacebookの広告も出してみようかと思いましたが、自分が見える範囲を越えてしまう気がしたのでやめておきました。実際にそれで正解だったのかもしれません。



▶ ネットショップBASEについて

今回、ショップの運営はBASEを使用しました。
ショップ運営におけるテンプレートから、基本的な機能が一通り揃っているので、売るものと商品画像さえ用意出来ればすぐに運営を開始出来ました。
どのようなメール、案内が届くのかを確認するため、試しに様々な決済方法で購入をしてみましたが、驚く程簡単に購入をすることが出来ました。

BASEの良かった点は、『お客さんとの直接の金銭のやり取りをしなくてよい。』という点にあるかと思います。
” お客さんからの入金 → 商品を配送 → 配送メールを送信 → 決済確定 " となるので、金銭のやり取りはBASEが仲介をしてくれることになります。

問題点をあげるならば、入金不足があった場合に、出品者にはその節は伝えられずに、自動的にキャンセルとなってしまうこと。
こちらから催促のご連絡などは出来るはずも無く、「購入の意思が無くなったのだろうな」と捉えてしまう。

この点をBASEに問い合わせたところ、『ご購入者さまには不足のご連絡は差し上げておりますが、出品者さまには現状、お伝えをすることなくキャンセルのお知らせのみをお送りしております。』とのことでした。今後、改善していくとのことでしたので期待します。
もう一点は、お客さんが支払い方法を変えたい場合、振り込み期限切れで自動キャンセルを待つのみになり、こちらからのキャンセルが出来ないことくらいでしょうか。

とはいえ、とても便利でしたし、サポートの対応も良いものでしたので、今後も利用して行こうかと思います。
(もっと見やすい注文表の一括出力が出来れば、なおGOOD!)


▶ 農業で生計を立てるということについて

今回、作付けをした面積が約4畝(よんせ)、およそ400㎡という、専業の方からしたら猫の額ほどの面積です。
例えばねぎだけを栽培して、通常の出荷のみで、人並みの生活をして行こうとするならば、最低でも年間で5反から6反およそ5,000㎡〜6,000㎡の作付け、出荷販売をしていかなければなりません。4畝で約6,000本と考えると、単純計算で約75,000〜90,000本のねぎを売らないといけないことになります。

今回の面積で全て捌くことが出来たわけでもなく、同僚のカキザキ君にも無償でお手伝いをしてもらいました。
これが、一人で作業をするとして、現状の装備品ではなかなか難しいことだということを実感することが出来ました。たとえ、妻に手伝ってもらうとしても、外でパートなりで働いてもらったほうが、家計の安心になります。

だからこそ、僕らの様な(他所から来て、いちから始める)人は、なんらかの方法を考えいかないといけないのではないでしょうか。
出来る限りの直接販売で、売る側は通常よりも高い値段で売ることが出来て、買う側はいつもの値段で、自分が信頼出来るものを買うことが出来る。
そんな形が一番良いのではないのだろうかと思うので、そうやっていけるように頑張ります。

新規就農に向けた助成金制度なるものもあるのですが、これは "純利益が250万円"になる営農計画を提出し、それをこなして行くことを条件に助成金をいうもの。
これは県の試算額で計算をされるのですが、作物により決められていて、鳥取県ですと例えば白ねぎだと一反(約1000㎡)あたり263,453円、ブロッコリーだと62,021円。お米(水稲)に関してはマイナス4,921円に。
これをこなすためには、果てしない面積を作付けして行かないとなりません。夫婦ふたりで、子どもがいる家庭には、正直高いハードルなような気がします。佐治町は谷の町なので平場の大きな面積をとれる畑があまりなく、なおさら厳しくなります。

もとから機械や作業小屋、資材を所有しているような、家業を継ぐ人にとっては、良い制度なのかもしれませんが。



▶ 儲けが欲しかったのでは?について

キャンペーンを続けるうちに、僕がねぎを配りまくっていることが町の人に知れ、「頑張っているのに儲けられんのは可哀想だ」「わしの名前で直売所に出せばええ」「一緒に出荷に載せてやろうか?」なんて、言ってくださる方がいらして嬉しかったのですが、そこはやんわりとお断りしました。

栽培をした全てのねぎがお送りした様な、太く、長く、しっかりと身が詰まったものだけではありません。
もし、出荷に出すとするならば "良いモノ" を出すことが条件となります。良いモノこそ、注文をくださった方にお送りしたいと思いましたし、わずかな売上金をもらっても、きっとモヤモヤとした気持ちになっただろうと思います。

もちろん儲けは無くて、むしろ配送(設定)のミスをしてしまったので勉強代を払いました。



▶ ねぎあげるキャンペーンで伝えたかったこと

どんな栽培方法でも、きちんと嘘をつかずに情報や、風景をお伝えして行くこと。人を知ってもらうこと。
それだけでも、食べる野菜の味は美味しく感じることが出来るのではないかと思います。

あたりまえのことなのですが「野菜は人が作っている」ということが、もっと身近に感じてもらうことが出来たのであれば本望です。

今回はビギナーズねぎでしたので、同封したお手紙に一言添えて、あえて根元が曲がったものも入れて送りました。
台風や突風でで倒れ、起こし損なったもので、通常ははじかれて廃棄なりをされてしまうものなのですが、味は変わらないですし、そのようなものもあるということを知ってもらえればな。という気持ちがあり入れさせて頂きました。

ちいさな一歩でしたが、今後に活かすことが出来る、たくさんの経験をさせて頂くことが出来ました。
どこかで「鳥取にはねぎを作って配っている人がいたな」と思い出してもらえれば嬉しいです。
人口2100人ほどの佐治町の名前を知って貰えただけでも、良かったのではないかと。「鳥取に興味が湧いて来たのでいつか遊びに行きます 」、「畑を手伝いに行きます」と言ってくださった方々、いつかお会いしましょう!

この度は、本当にありがとうございました。


▶ おまけ

同封した、野菜テープ風 " ねぎあげるステッカー "のデータを載せておきますので、シートに印刷するなり、壁紙に使用するなり、ご自由にお使いください。(自宅の普通のプリンターに合わせて作ったので、良いムラサキ色を出すのが難しいです。)