とっとりで暮らす

東京から鳥取へ。佐治町という小さな町に引っ越した人のブログです。

イノシシの解体に同行してきました

隣町の集落でイノシシが捕れたと聞き、解体をする現場にお邪魔させて頂きました、
先日、わなの狩猟免許を取得したので、視覚的なものにも慣れておきたかったので、願ったり叶ったりなタイミングでした。
捕まったイノシシは、すでに内臓が落とされ、血抜きがされ、川で冷やされていました。この血抜きのスピードが肉の味に大きく影響をします。銃で撃ち、素早く血抜きをしないと肉に血が回ってしまい、臭くなり身も固くなってしまいます。

 

 

イノシシは二人が掛かりでないと持ち上げられないくらいの重さ。
これから冬に向けて脂が乗ってくる時期だそうです。こんなのが平気で車にタックルしてくるというのですから、その恐怖は中々なものです。

解体の方法は、まず皮をナイフで剥がしてから、肉をばらしていきます。地方によっては毛をバーナーで焼いてから、脂を残し捌く方法もあります。(以前、友達にもらった石垣島のイノシシはそれでした。刺身で食べて美味しかったな。)

 

 
 
猟師さんに手慣れた手つきで捌かれるイノシシ。

身体の構造や、肉の部位の説明、猟師のナイフ自慢などをたくさん聞いて、なるほどの連続でした。どこがロースでバラでスペアリブで。実際に見ないとわからないものです。どういう風に筋肉を動かしているから、こういう風な特徴が出るんだ。ということがわかりました。
人間とは不思議なもので、精肉の形になっていくと「美味そうだなぁ..」なんて思ってしまいます。

 





手伝ってくれたから!ということで1/3も肉を貰い、ドスン!と車に積んで帰りました。
帰ってからは、血の固まり等を取り除き、小さく切り、部位ごとに分けて冷凍。
猟師が売らずに持ち帰ると言われる、背骨の裏の肉をにんにく醤油ソースで頂きました。
牛でもない豚でもない、野生の味がする、なんだか力が湧いてくるような味で、自分の血となり骨となる実感を得ることが出来ました。

美味そうに撮れましたし、美味しかったです。


今は猟季ではないので、これは有害鳥獣対策となります。
イノシシやシカが畑を荒らして、農家さんに甚大な被害を受けています。
農家の畑が荒らされるということは、わかりやすく置き換えると「プログラマーが積み重ねてきたデータを破壊される」ようなもの。イノシシの被害を完全に防ぐことが出来る方法を見つけたら、それだけで食っていける。とある人は言いました。

今回の経験で、月並みですが、動物の命を貰って自分の命にする。ということを強く実感することが出来ました。スーパーに売られている肉を見ても、それは実感することが出来ないこと。
日常が溢れている田舎は面白い。日に日に、生きる力が備わっていく様です。