あけましておめでとうございます。
昨年末のことを全然書くことが出なかったので、思い出しながら書いてみる。
稲の脱穀は見かけた近所の人が手伝ってくれたうえに、余所の集落の人までお手伝いをしてくれて一日で終えることが出来た。結局、天候不順で完全には乾燥が出来なかったので、乾燥機をお借りして、半乾燥をしてもらった。
収穫量はコンバイン袋に17袋半で、自家消費としては十分すぎる量。これでも半分くらいは倒れたり、こぼれたりして採れていないのだから、日本晴の反辺りの収穫量はすごい。
ようやく自分の米が出来た。もはや自分達だけの米ではないけれど、形になったことがとても嬉しい。日本晴は「もちもち感無し、甘みも控えめ」のオールドスタイルなお米で、和食のおかずなんかにはとても合う。” よく噛んで食べましょう " とは、こういうお米のことを言うのではないだろうか。
米屋で働いていたこともあって、今までに50品種以上の米を食べているけれど、それぞれに適材適所があると思っていて。「おかずに合わせてお米を変える」「気分や季節、体調によってお米を変える」そんな楽しみ方もあっても良いと思う。
自分の作ったお米を交換した佐治の人が、今までは意識もしなかったけれど、そう言うのもアリだね!と言ってくれたのは、なんだか嬉しかった。
皆、自分の家の米が一番美味い!と言うけれど、それはそれで良いことだと思う。
脱穀が終わった翌週くらいに、山形の朝日町から、登坂くんと水沼くんが遊びに来た。娘もよく懐いて、今でも「のぼりん!ぬまっち!」と言っている。
何か手伝いをしてくれると言うので、脱穀でお借りしたハーベスターの洗車を手伝ってもらうことにした。農機具の洗車用に最近購入をしたポンプと、エンジンオイルを渡して「セットしておいて!」とお願いしたところ、僕がハーベスターを運んでくるまでには準備万端で待っていてくれた。
むしろ僕の方が教わることが多くて、「同年代のこんな風に動けて気軽に頼める人が近所にいたらいいなぁ」と思った。
おはよう堂に言ったり、砂丘に行ったり、大江の郷で洒落たごはんを食べに行ったりした。
山のアスパラの冬仕事は、雪が積もり入れなくなるまでに間に合うかヒヤヒヤしたけれど、何とか終わらせることが出来た。
全て刈り取ってから、草を掻き取り集める。灯油バーナーで通路から畝までガーガー焼いてく。バーナーも強力なものを導入したけれど、途中で雪が降って来たりで何度も中断。一日に18Lの灯油を使うのが限界で、一日中畑の中を歩き回り焼却作業をしても4日ほど掛かった。
雑草と一緒に刈り取った茎葉は軽トラに積んで、離れた場所に捨てた。( もちろん自分が借りている場所にね )
病気の発生が著しかったので、殺菌作用のある石灰窒素を一反あたり100kg散布。完全に効果があるわけではないけれど、やらないよりはやったほうが良い。病原菌はいつ目覚めるかわからないので、来年は一層気を使って手をかけてやらないとならない。
農作業がデキる人の作業を見ていると「きめ細やかさと持続力」だと最近は良く思う様になった。ひとつひとつの単純作業を丁寧に黙々と出来る人は凄い。自分もそうなりたいと思う。
田んぼで出た稲ワラをどうしようかと考えたが、濡れてしまったものが多かったので、堆肥にしてみることした。とりあえず軽トラで何往復もして運びだして、腐熟を促進させるための消石灰を撒きながら山の畑に積んだ。
本来であれば、発酵促進のために硫安などの窒素肥料を混ぜて、シートを被せておくべきなのだけれども、アスパラの支度優先をしたら、時間の無くてそこまで行き着くことが出来なかった。資材は揃っているので春に行おう。
この冬から除雪の仕事に必要な「作業資格」の取得のため、岡山の津山キャタピラー教習所へ。2日間びっちりの講習。一日目は座学、二日目は実技と試験。大変ではあったけれど取得することが出来た。一番大変なのはこの講習を二日間一人でやる教官だと思った。
教習所の裏にパチンコ屋があって、昼休みに若い人に誘われたが「パチンコやらないんですよね」と行ったら「まじっすか!」と驚かれた。
除雪は今までに三回ほど出動をした。佐治の細い道は排土板が道を埋め尽くしてしまう程で運転はなかなか難しいけれど、何となく要領は掴めて来た様な気がする。安全第一で務める。車の通りが少ない深夜2時とかの出勤になるので、健康も第一で。
( 余談ではあるけれど、除雪車プレートのフォントが可愛い。このフォント、どこかで手に入らないだろうか )
11月から12月にかけては、竹村さんとどぶろく関連で忙しく動いた。
年末年始で一番ものが動く時期でもあるので、お客さんの需要にあった動きをしないといけない。12/16に参加をさせてもらったバードハットでの「山陰三ッ星マーケット」では多くの方にお買い上げ頂くことが出来た。新製品の「クラシックラベル」が出来たことで、三種類の違いがはっきりと提示することが出来る様になったし、お客さん自身の好みを選んでもらえる様になったことはすごく大きい。
発売から1年。お買い上げ頂いた方や、応援をしてくれる人々がいるから続けることが出来る。続けることは難しい。けれども、可能性があることに対してはそれが一番大切なのではないかと思う。
雪の積もる地域で農業をすると、冬の収入源が不安であった。売るものがなければ収入はない。
冬は特に何もせずにのんびりしているよ。と言えるくらいの春から秋の収入があれば良いけれど、現状ではそうもいかない。そうであっても、何かしら働いてはいたい。
少しは暇も出来るかな。と思っていたけれど、そんなことはなくて、やることはたくさんある。この町で仕事があると言うことは、とてもありがたい話。