何もわからない状態からスタートした、どぶろく製品化への道。
最初の鳥取県産業技術センターでの濁酒製造研修から2年以上の歳月を掛けて、ようやく販売を出来るところまで辿り着きました。
発売日は来月の11/19(土)。製造量は多くはありませんので、当面の間は予約販売とさせて頂きます。(品薄商法とかではなくて、製造場の問題で本当に作れません)
(株)さじ弐拾壱という企業の事業に協力隊活動の「特産品の開発」の一貫として携わさせて頂き、竹村さんと二人であれやこれやと言いながら、お互いの業務の合間を縫って時間を合わせて行っています。(僕は農繁期であり、竹村さんは小学校の受け入れがある夏は大変だった、、、)
今回発売をするのは2タイプ。それぞれの製造の違いは酵母と掛米の品種、発酵度合によるアルコール度数や、香り甘さなどで、それぞれ全く違う特色を出す事が出来たと思います。
黒ラベルはアルコール度数をグっとあげた、お酒好きの方に飲んでもらいたいキリッとガツンとな辛口タイプ。赤ラベルはアルコール度数を抑えて、甘さや香り高い酵母の力を活かした飲み易いタイプとなっています、昨今の低アルコールスパークリング日本酒の様に、色々なお食事にも合うかと思います。(昨今、良く販売をされているスパークリング日本酒は炭酸ガスを充填しているものがほとんどですが、どぶろくのシュワシュワは酵母が糖を食べて排出した炭酸ガスです)
どぶろくの醸造方法はいろいろとあるのですが、僕らは清酒の仕込み方で行っております。発酵を止める加熱殺菌もしないので、甘酒のような見た目とは裏腹に生酒( 生貯)のような香り高いお酒になっています。冷蔵庫に置いておくと日に日に発酵をして、アルコールが上がったり、米の潰れ具合が変わったりと。それも楽しみのひとつです。
ラベル、デザイン関係は、イラストレーター・デザイナーの " あんざいこなみさん " ( http://anzai-konami.tumblr.com/ ) にお願いをしました。飲み終わった後にも、手に取っておきたくなるようなビンを目指しました。
二羽の鳥は佐治町に伝わる民話、佐治谷ばなしの代表作である「きじとからす」から。
このどぶろく「どんでん返し」を通して、佐治町や鳥取に興味を持ってくれる人が増えれば嬉しいですし、デザインもしかりブランドイメージをしっかり持った特産品にすることができれば、これから先あらゆる可能性に拡っていくのではないかと思います。
どぶろくというと「飲みづらそう」だとか「密造酒」というイメージが先行してしまいがちですが、若い方や、今までどぶろくを飲んだ事の無い方にも手に取ってもらえたら嬉しいです。
佐治町は鳥取市で初めてのどぶろく特区を取得しました。これがイマイチわかりづらいのですが。農家レストランや民宿、農家民宿などの飲食業をの許可を取得している事業者であれば、通常の酒造免許の製造量の最低ライン年間6000Lが免除されて、1Lからでも製造をして良いことになります。
佐治町は農家民泊を推進しているので、その中から農家民宿の許可を取得し、どぶろくを製造する方がどんどん出て来たら面白いなぁと思います。
そう思うと、どぶろくは自主制作盤(インディーズ)みたいなもので、またそこがどぶろく良さなのではないのかなぁなんて思いました。作る人それぞれに正解があって、それを好むひと好まないひとがいる。それでいいじゃないかと。そうでなければ、日本全国の誰もが知っているどぶろくがあるはずですし、大手の酒造会社だって手を付けているはずです。
小さなまちの小さな製造場からお届けするどぶろく。そこに関わる人々や、まちの風景などが見える様な商品でありたいと思います。
まずはここから。出来る事を出来る範囲でひとつひとつ積み重ねていきます。
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