とっとりで暮らす

東京から鳥取へ。佐治町という小さな町に引っ越した人のブログです。

5月に山の畑に定植をしたズッキーニはぐんぐんと成長をして、6月の半ばから収穫を開始。アスパラの収穫と共に毎朝の人工交配をした。支柱に側枝をくくりつけてまっすぐに仕立てる立体栽培に挑戦をしたけれども、成長スピードに追いつけずに断念。

 

ズッキーニはだいたい50日くらいで実のつきが悪くなると言われるように、それくらいで収量は減った。病気の発生がありながらも、新しい葉っぱを広げて次々と根っこを出していく。すごい生命力だ。

約2ヶ月間毎日収穫が出来て、販売の単価も良い。大きいものであれば一本80円で買い取ってもらえる。来年はもっと定植数を増やしていこう。品種は「ゼルダ・ネロ」という伝説みたいな名前。葉柄に刺が少なくて収穫もしやすいし、変色も少ない。色がとても綺麗で味も良い。

 

ズッキーニが落ち着いてからは、ナスとピーマンの収穫を始めた。新しくお借りした畑の準備が少し遅れてしまい、6月の10日頃の定植となってしまったが、7月の20日ごろから収穫が出来た。定植には友人の太一が手伝ってくれた。「今年はナスの調子が悪い」とあちらこちらからそんな話を聞く。それを思えば多少、定植が遅くて良かったのかもしれない。

それでも猛暑が続く日には、エンジンポンプを使い畝間にドバドバと冠水をしている。田んぼの時期には水が取れる圃場でとても助かる。下の田んぼを作られている方に、出来れば9月頃までは水を流しておいてください。とお願いをしておいた。

 

なすの品種は「黒陽」という暖地向けの種を購入して苗を作っている。最近の暑さならばここでも大丈夫だろうし、何よりも美味しいナスビだ。しかし今年は思ったように発芽せずに、予定していた株数の半分以下となってしまった。3月から始まる野菜づくり。遅れたものを補填することはなかなか出来ない。

 

ピーマンはあまり初期の調子が良くなかった。品種は「京みどり」。斑点細菌病の発生、実の付きもイマイチだし、肉厚なものがなかなか出来ずにいた。尻腐れが少し見えた。カルシウム不足だ。

ナスとピーマンには、亜リン酸肥料のホスプラス、カルシウム肥料のカルクロンを定期的に散布。亜リン酸は葉っぱから直接吸収を出来るので効き目が早い。窒素を抑えて実や根を強くしていく方向にしてみたところ、目に見えてだんだんと良くなってきた。無色透明無臭の液体なので撒きごたえ(?) はあまりないが、確実に良い実を付けるようになってきた。効き目が見えてくると嬉しい。

 

現在、野菜は市場に出荷をしているが、ナスが一袋80円(良くて100円)、ピーマンが一袋50円の買取り。一日にピーマンを40kgくらい出さないと1万円に届かない。夏はナスとピーマンで税金を納めたいものだ。

 

農業を始めてわかったことだけれども、野菜の値段、買取は安い。世の中がやれ給料が上がっているだの景気が良いだの言っても、野菜の買取はほとんど変わらない。100円だったアイスクリームやポテチが知らぬ間に140円になって内容量が減ってる中、野菜の値段はそこまで変わっていない。災害や天候不順がないと買取値は上がらない。少しでも上ると、テレビでは野菜が高い高い!と騒ぎ立てる。

 

この間、テレビ番組で一人で一丁(約10000平方メートル)以上の米を作っている農家が、「これだけでは全然生活が出来ない。」言っていた。それを観たMCの所ジョージが「これだけ作って生活が出来ないとかおかしいでしょ!」とコメントをしていた。そう思うよね。

 

文句を言っていても仕方がないから、この状況を打破するには自分でなんとかするしかないけれども。

 

来週からは梨の選果場でのバイトが始まる。